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2011年8月31日 個人情報保護で依然不安も「共通番号制度」 国民総背番号制度がもたもたしているのが解らない。 国民に認識番号を割振りすることは主な諸外国では当たり前のことなのです。 国民が等しく国民としての義務と権利を行使するために利益を 享受できるようにするためにはどうしても必要なことなのです。 コンピューター社会では最低限のルールのように思いますが? 個人情報の流失などを懸念するが、これで扱う個人情報など 利益からすると小さいことで、個人情報の管理の徹底と罰則を 強化することで、防止されるものと思われます。 それでも反対するのはほかに思惑があるように感じますね。 特に民主党が消極的なのが解らないですね。 「国民の所得がガラス張りになるからいやだ」という考え方もおかしいですね。 ガラス張りが当たり前なので、国民が等しく負担すべき税が公平に 徴収されるのだからいいと思うのですが、所得がありながら 税金を払っていない方の言い逃れとしか思えませんね。 国民一人一人に番号を割り振り、納税記録や年金、 医療などの社会保障情報を管理する共通番号「マイナンバー」の 導入が決まった。政府は秋の臨時国会にも関連法案を提出し、 平成27年1月の利用開始を目指している。社会保障を充実させる “便利な道具”である半面、個人情報の流出や所得が筒抜けに なることへの不安も依然として強い。(田辺裕晶) ◆6分野を一つに 共通番号は、財務省が脱税防止のために導入を訴えてきた 納税者番号が前身だ。納税者に番号を付けて納税記録や所得、 資産を管理するアイデアだが、国の監視が強まることへの反発から 昭和55年に法案が成立したグリーンカード(少額貯蓄等利用者カード) 制度が開始直前に廃止されるなど、実現できずにいた。 そこで、国民の関心が高い社会保障分野のメリットを 前面に打ち出すことで、反発を和らげようと考えたのが共通番号制度だ。 同制度では住民基本台帳ネットワークをもとに国民全員に番号を付け、 税務分野に加え(1)年金(2)医療(3)介護保険(4)福祉 (5)労働保険−という5つの社会保障分野の利用情報と結びつける。 国民の所得層と社会保障サービスの受給実態が同時に把握できれば、 支援が必要な人を特定した「きめ細やかな社会保障を実現できる」 (政府)だけでなく、低所得者を偽装した生活保護費の不正受給と いった長年の懸案解消にも役立つ。 ◆手続きを簡素化 実際、番号を使って何ができるのだろう。 政府は番号を用いて健康保険証や介護保険証、年金手帳の機能を 1枚にまとめたICカードを国民に配布する。複数の証明書を持ち 歩く必要がなくなるだけでなく、これを示せば確定申告などで 各種証明書の添付を省略でき、例えば、面倒な医療費の控除申請が 簡略化される。 また、異なる分野で情報の共有ができるのも利点だ。医療や介護、 子育てなど複数の社会保障サービスを利用した際に所得に応じた 自己負担の上限を設け、超えた分は支払わずに済む「総合合算制度」 も導入できる。現在も医療・介護分野で上限額を定めた制度があるが、 利用額の計算に時間がかかるため一度は高額な料金を立て替えねばならず、 国民の負担は大きい。 このほか、消費税率を引き上げる代わりに低所得者へ減税や給付金の 支給を行う「給付付き税額控除」も導入しやすくなる。 ◆流出懸念どう払拭 一方、「国民は、関知しないところで医療や健康にかかわる 自己情報が収集・分析されることを肯定的にとらえない」 (日本医師会)など、病歴や所得といった個人情報の扱いを 不安視する声も出ている。 政府が6月にまとめた共通番号制度の大綱は、個人情報の漏洩 (ろうえい)を監視する第三者委員会の設置を決めるなど、 懸念の払拭に努めた。だが、第三者委員会を公正取引委員会のように 他の行政機関から独立した「三条委員会」とする当初の方針は、 影響力を残したい政治家の横やりで削除された。 今後、法制化の過程で監視機関の権限や独立性が弱まれば、 国民の批判を招き、グリーンカードの二の舞いになる恐れもある。
◇足元で高まる慎重論 今まで表だった批判が少なかった共通番号制度だが、ここにきて与党・ 民主党内から異論が出始めた。
党の社会保障・税番号検討小委員会は8月末、「社会保障の充実、 公平性確保といった本質論が目に見える形で示されなかった」と 政府の大綱を疑問視する意見をまとめた。首相交代後に再度協議し、 9月末までに党としての提言を固める。 同委の聴取では、有識者から「責任の所在が不明確な部分が多く、 都合の悪そうなところは曖昧に書かれている」など、大綱を批判する 声が相次いだ。 実際、政府は「初期費用で数千億円、メンテナンスも 含めれば1兆円規模」(民主党議員)とも言われる巨額の システム構築費用や、制度導入の経済効果など、 共通番号にかかわる重要な情報を伏せたままだ。 情報流出の恐れが強まる民間企業への利用拡大も議論を先送りにしている。 財務省OBは「決まっているのは制度の外枠だけ。 具体論に踏み込めば、個人情報保護だけでなくさまざまな批判が 出てくるだろう」と懸念を漏らした。
2011年8月30日 野田新代表、安保危機どうする やっと菅氏が総理を辞めて後任に野田氏がなるようだが、 民主党が今までのような政策を羅列するなら、また国会は空転し、 野党の協力は得られないし、混迷はもっと深くなるだろう。 野田氏が賢明に国会を解散して総選挙するなら国民の声が国会へ届き、 いい政治ができるだろう。 総選挙を実施して国民の声を聴くべきだ。 それが野田氏の使命のように思える。来年の春には総選挙を 実施するのがいいと思われる。 正論】 杏林大学名誉教授・田久保忠衛 野田佳彦次期首相誕生はご同慶の至りだが、一言申し述べたい。 日本の防衛体制を国際環境の中でまともなものにしなければならないと 考えてきた私は、「日本は経済一流、政治二流、防衛三流」の表現を長年、使ってきた。 防衛を一流にしなければこの国の将来は危ないと案じたからだ。 ところが、経済はズルズルと二流に転落し、政治は民主党代表選の 過程でもはっきりしたように最低に堕(お)ちた。東日本大震災と それに伴う福島第1原発事故に際し黙々と任務に従事した自衛隊は そのまま「一流」になってしまった。喜劇でもあり、日本の悲劇だとも思う。 ≪イスラエルの首相を見よ≫ 世界第一級の政治家として、私はイスラエルのネタニヤフ首相を挙げたい。 パレスチナ和平交渉の相談でワシントンを訪れた首相は 5月24日に上下両院合同委員会で演説した。50分足らずの スピーチで総立ちの拍手が29回起きた。 「あなた方(米国)はイスラエルの建国に手を貸す必要はない。 われわれはすでに建国した。民主主義を輸出する必要はない。 われわれはすでにそれを持っている。米軍を派遣する必要はない。 われわれは自分で守っている。米国はきわめて寛容にも、 われわれが自衛する仕事の手段を提供してくれている。 イスラエルの安全への不動の支援に感謝する。 経済が難しい時期にあるのは承知している。支援に深いお礼を言う」と 聞けば、米議員は感動で唸(うな)るだろう。 民主党政権が過去2年、永田町で繰り広げた狂乱は、 日本がいかなる国際環境に置かれ、どう生きていかなければならないかの 思考が停止していることを物語る。 ≪思考停止の民主党政権2年≫ 自国を防衛する「国軍」を持っていない日本にとり同盟関係の 象徴である沖縄海兵隊の普天間飛行場に関する日米合意を、 鳩山由紀夫前首相はいとも簡単に足蹴にしてしまった。 副総理として責任の一半がありながら後継者になった菅直人首相は、 尖閣諸島沖の中国漁船体当たり事件で独立国家として 考えられないような醜態を世界に曝(さら)した。 日米中「正三角形」論などという奇怪な国際情勢観を 鳩山氏と共有する小沢一郎元代表が北京、ソウル詣でで何をしたか、 今思い出しても顔が赤らむ。 政治が二流だとか三流だとか評価できるのはもう過去の話だ。 党員資格が停止され、刑事被告人である小沢氏と、 外交史上稀(まれ)に見る誤りを犯した鳩山氏が主要な役割を演じた 後継者選びとは、一体何だったのか。野田氏の選出は幸いだったが、 新聞、テレビなどのマスメディアも次元が低すぎる。 代表選前日に事情通らしい著名な政治評論家数人が 「候補の5人に共通しているのは舞台裏で裏技が使えないところにある」と、 大真面目(まじめ)に議論していたのを視聴した。 「裏技」が何を意味するのか理解できないが、これは日本の首相の 重要な条件なのだろうか。 5人の候補者の記者会見でのやり取りは、(1)復興と増税 (2)経済政策、原発・エネルギー政策(3)マニフェスト(政権公約) 見直し、国会運営(4)大連立、党運営(5)小沢氏の処遇−の 5問題に限定されていた。国運を担うことになる候補者に外交・防衛に 関する見解を質(ただ)そうとしない日本のジャーナリズムにも相当、 問題がある。5人とも外交・防衛で日本を台無しにした鳩山、 菅両政権の閣僚経験者であり現職が3人いる、と 指摘した質問にだけは救われる思いがした。 ≪中国の理不尽に理不尽と言え≫ 野田氏は29日の代表選で、EU(欧州連合)や 米国の財政危機が日本経済に及ぼす危機を国難と表現した。 その通りだが、中国が東シナ海、南シナ海、インド洋に 及ぼしている危機を忘れてもらっては困る。 6年前に当時の前原誠司民主党代表は米国での講演で、 中国を「現実的脅威」と呼んだが、帰国後、民主党としてこの 表現を取り消してしまった。 中国とは隣国として交際していかなければならないが、 理不尽は理不尽と、相手に伝えられないのか。 野田氏は15日の記者会見で、いわゆるA級戦犯について、 すでに法的に名誉が回復されており、戦争犯罪人ではないとの考えは 変わらないと述べた。正しい指摘だ。靖国神社の秋の例大祭には 是非参拝してほしい。中国は敬意を表し、自民党は仰天するに違いない。 最後に、与野党議員全員に尋ねたい。東日本大震災と 原発事故に対応できず迷走を続けてきた戦後日本の体制に問題はないのか。 震災直後の自衛隊と米軍の支援がなかったら、この国はどうなったのか。 自衛隊は災害対策のための存在なのか。8月24日に中国の漁業監視船 2隻が日本領海に初めて侵入した。政治が動きの取れないお粗末な 日本の意図を探ろうとした中国の試みと解釈するかどうか。 日本に似て戦略的縦深性が浅い国であるところから国防に最大の重点を置いてきた。 それを日本の政治家に真似似(まね)ろと説教するつもりはない。 が、国際情勢に緊張感を抱かない、今の永田町の雰囲気による有形無形の被害は 大震災を上回るだろう。(たくぼ ただえ
2011年8月26日おいしいとこ取り、唐突指示…「歪んだ原発政策」垂れ流し 【再検証・原発政策をゆがめた菅首相】 国民は管首相のいい加減な政治でどんなに負担を強いられる羽目になったか、 ようやく気づき始めた。いい加減な市民運動家上がりの管首相の政策を 垂れ流してきた民主党の責任は重い。 マスコミやTVのワイドショウーの司会者なども同様だ。 責任を取らないところが同じなのだ。 菅氏によって日本列島が沈没しかけたのである。 歴代の首相で最悪の首相だったと思う。 ようやく8月末には退陣するようだが、あとだれがなっても 民主党から首相が出るとなると期待できない。 このように不信感が広がっているのだから、早く衆議院を解散し、 総選挙をすべきである。 再生自民党がカムバックすることを切望するものだある。 最善の選択とはならないかもしれないが、民主党政権よりは 国民の為になるでしょう。
東日本大震災で起こった東京電力福島第1原子力発電所の事故は、 事故そのものへの対応だけでなく、原発政策の迷走となって日本を揺さぶった。 円高とともに日本の産業を空洞化に追い込んできた菅政権の失政を検証する。 (小雲規生、坂本一之) 「おいしいとこ取り」 「それでいこう」 首相の菅直人はあっさりゴーサインを出した。福島第1原発事故発生から 2カ月近くたった5月6日夜。菅は緊急記者会見で、中部電力浜岡原発 (静岡県御前崎市)の停止を宣言した。 菅は2つ「おいしいとこ取り」をした。1つは、発表役を経済産業相の海江田万里から 奪ったこと。これはいい。 だが、もう1つは重大だ。菅は政府内部で決めた浜岡停止の「前提条件」には ほとんど触れず、「歪(ゆが)んだ原発政策」を垂れ流し始めたのだ。 「前提条件」はその1カ月前に動いていた。3月30日、政府は全国 の原発を対象に「緊急安全対策」を指示。これで津波による事故発生を防ぐ 当面の手立ては整い、定期点検中の原発は安全性を確保したはずだった。 ただ、海江田は浜岡を例外中の例外と位置づけていた。東海大地震で大津波を 受ける可能性が高い。だから浜岡だけ「さらなる安全性確保のため運転を 停止すべきだ」と、菅に説明したつもりだった。 だが、菅は「浜岡は危ない」というメッセージを垂れ流し、 浜岡以外にも危ない原発があるとにおわせ、衝撃となって日本を包みこんだ。 「到底、国民の理解が得られるものではない」 13基の原発を抱える福井県知事の西川一誠は、この首相会見に不満を爆発。 原発建設に積極的だった福井県は態度を百八十度変えた。以来、西川は「具体的な 安全基準を国が早急に示すべきだ」と、国を突き放した。福井の変化は他の自治体にも 波及し「電力不足」は全国に拡大した。 この会見と前後して菅は「福島第1原発」への関心を失い、 「脱原発」路線に突き進んだかに見える。 第1原発での失敗を「脱原発」でごまかそうとしているのではないか−。 そんな臆測も飛び交った。 結局、菅が「安全宣言」を無視したことで、原発再稼働に向けた環境はもろくも崩壊。 再稼働で夏場の電力需要を乗り切ろうとした対策に影を落とした。 「追い打ち」 菅の独り相撲はその後も続く。7月7日。資源エネルギー庁幹部は国会の 首相答弁を聞き、天を仰いだ。 「ストレステスト(耐性検査)も含めて基準を設け、それをチェックすることで 国民の皆さんに理解をいただける」。テレビで菅は自信満々に答弁した。 ストレステストは、原発がどの程度の災害まで耐えることができるかを 確かめるための検査手法。原子炉強度のデータをもとに計算で結果を出すため、 原発が稼働中でも実施可能だ。 だが、菅はあえて再稼働の前提条件とすることにこだわった。この過程で、 原発事故対策の中枢であった首相と経産相は、対立関係に落ち込んでいく。 原子力安全委員会と話をしているのか!」 6月29日。菅は携帯電話で海江田を怒鳴り付け、九州電力玄海原発 (佐賀県玄海町)の再稼働にストップをかけた。海江田が玄海原発の地元自治体に 出向き、再稼働の見通しがたったところだった。 だが菅は「脱原発」を政権の成果にしようと必死で、海江田の話を聞く姿勢はなかった。 翌日、ストレステストを実施せよとの唐突な指示が菅から海江田に下された。 「ストレステストが必要なら、浜岡停止発表の時点で指示を出すべきだ。 誰かに吹き込まれて、急に言い出したんじゃないか」 経産省幹部は菅の無軌道ぶりに驚き、あきれた。 さらなる迷走 「政府の方針がフラフラしている以上、原発再稼働の検討は進められない」 佐賀県知事の古川康は記者団に菅への不信感をあらわにした。 古川は浜岡停止後も再稼働の道を探っていた数少ない知事。 海江田は玄海原発再稼働を狙い、6月末に古川や玄海町長の岸本英雄と面談し、 岸本からは同意を引き出していた。 それを菅が壊した。 「菅は電力不足を解消するつもりがない」(メーカー幹部)と産業界は 一斉に態度を硬化。経団連会長の米倉弘昌は、訪問中の英国で語気を荒く批判した。 「企業の協力が否定されている。海外移転がますます加速するのではないか」 心のない謝罪 「1千万戸の家屋に太陽光パネルを設置する」「電力会社に全量買い取りを 義務付ける固定価格買い取り制度をやる」。菅が「脱原発」を言えば言うほど、 福島第1原発事故への積極的な言動は影を潜めた。 27日、菅は福島県に出向き、土地借り上げなど原発周辺住民への支援策について 説明する予定だ。 おそらく菅は頭を下げるだろう。だが、「脱原発」でパフォーマンスを繰り 広げてきた菅の陳謝が単なるポーズであることを、被災住民たちも十分に 理解している。(敬称略)
2011年8月24日 黎明期の新幹線と中国高速鉄道 大連に行ってきた話は前に書きましたが、中国というところは どこへ行っても、嘘がまかり通る所です。どこまでが本当で、 どこからが嘘か中国人もわからないで行動しているのではないのでしょうか? あまりに広い国土と、多民族が混在していて、言語も北京語を中心とするが、 広東語もあるなど多様化している国なのです。多民族国家と言えるでしょう。 そんな中国が統一しているのは共産党の一党独裁政権が民衆の自由を縛りながら 言論統制や、行動の制限、報道の統制をしているからかろうじて纏まりが あるように見えるのでしょうね。 日本と同一視はできないのが中国でしょう。歴史を見てみると中国のエネルギーが アジアを席巻してきたことは誰にでもわかっているが、今ほど世界に影響力がある 中国はないと思われます。その意味でどうこの隣国と付き合うか考えなければ ならないのです。 仲良くすることはいいのだが、頭を下げることは絶対してはならないのです。 中国にへりくだるともっと要求されるのが落ちで、絶対してはならないことです。 自民党も過去にその傾向があったが、民主党などはへりくだるというより、 子分になり下がっているのです。中国の顔色ばかりうかがっているのです。 尖閣列島での海上保安庁の巡視艇への中国漁船体当たり事件への対応を見ていると明確です。 私たちは隣国の侵害から自分たちの生命財産を守るために自分たちで国土を 守る気概がなければ、日本の将来はないでしょう。 【正論】 比較文化史家、東京大学名誉教授 平川祐弘 戦前、幼稚園で私は汽車の絵を描いた。蒸気列車も描いたが、 流線形がはやり出した頃で電気機関車も描いた。東海道線には特急「燕」が 走っていた。 最後尾の展望車は子供の夢だが、そんな特急には1等はおろか3等も乗ったことはない。 それでも、昭和14年2月、神戸から乗船して洋行する父を東京駅頭で見送った。 母も神戸まで父に同行したので、残された小学1年生は淋(さび)しかった。 ≪国鉄、投下直後に広島走る≫ 戦時中の国鉄職員に私は敬意を抱く。原爆投下の日のうちに広島を山陽本線は走った。 終戦を私は金沢で聞いた。中学2年生は朝日新聞支局へかけつけ、 「阿南陸軍大臣ハ自決セリ」の貼紙を見た。証明書を担任から貰(もら)って 切符を買い、翌朝金沢を発ち、直江津、長野で乗り換え、17日朝に帰京した。 大空襲の直後は赤茶けていた焼野原に緑の草が生えていた。 昭和29年9月の夜、熊野灘で台風に襲われた。国鉄青函連絡船洞爺丸は沈んだが、 私はそのままフランス船で留学した。1年分の奨学金で5年間、留学できたのは通訳で 稼いだからだ。 滞仏中、世界をリードしたフランス国鉄が各国関係者を招いて成果を 披露したことがある。パリに向かう特急の機関車の速度計が140キロを 指したとき、日本側は感嘆の声を洩(も)らした。「つばめの平均時速は65キロだぜ」 1955年当時の日本は貧しく、国鉄代表団はパリでエレベーターのない ホテルに泊まり、英語で用を足すつもりだが通じない。アルマン総裁の秘書が 学生寮にきて「通訳してくれ」と頼む。私は戦争中の特別科学組のおかげで、 仕事に向いていた。 ≪仏製買わず独自開発した日本≫ 日本側は東北本線を交流電化する、狭軌用交流機関車を買いつけるという。 「いいお客が来た」とフランス側は色めく。それから連日、私たちは機関車や 工場を見てまわった。100輛(りょう)以上は売れる、と相手は大歓迎だ。 だが、最後の交渉で日本側は「1輛買って後は自前で造る」と言う。 「1輛だけ狭軌用に特別に造るのでは採算がとれない」とフランス側は いきりたつ。シュネデール社が業界の意見をまとめ「20輛買ってくれ」。 「5輛なら買います」と日本側は言い張って破談となった。通訳の私が矢面に 立たされた。「日本の技師は機関車を買うといって工場を視察してまわったが、 実は買う気はないのだ。技術を盗みにきたのだ」 それくらいで技術は盗めはしない。だがこんなことが起こった。 国鉄技師が帰国して1年経(た)つと、日立が試作に成功し、さらに1年経つと、 「日本の交流機関車をインドが買った。入札でフランスが敗れた」。 そんな体験から、私は明治以来の日本の産業化の意義を感じた。 フランス側は嫌みをいったが、そんな中で新幹線の生みの親、十河(そごう) 信二国鉄総裁は立派で、通訳を使って話しても相手を感服させた。 フランス国鉄総裁用の客車が提供されたが、冷房がついていた。 当時はまだ、窓を開けて涼むのが世界的に普通だったから、私たちは驚いたのである。 国鉄労働組合への同情を失ったのは、やはり通訳しながら、 「闘士」に幻滅したためだ。といって法学部出身の官僚も大したことはない。 列車編成簡易化のために、世界の鉄道は1・2・3等制を一斉に1・2等制に改めた。 そのとき、「2・3等制にします」といって新聞の非難を回避するような 姑息(こそく)な手段が上手なのが、日本では能吏なのである。そんなノウハウを 戦後の法学士は尊重するようになったが、はたしていいことか。また、1・2等制に するといえば、「3等切り捨て反対」と騒ぐ日本マスコミの紋切り型の批判も 愚劣ではないのか。 ≪盗作罷り通る国の特許申請≫ 私は律義な理工系の技師が好きだった。今回の大震災で東北新幹線に脱線事故はなく、 死傷者は出なかった。立派だ。原発事故でも現場で頑張るエンジニアの工場長には 敬意を表するが、経産省や東電の法科系の口先だけの役人などには嫌気をおぼえる。 科学技術は普遍的だから、発展途上国が追いつき、追い抜くことはある。 古代中国は火薬などの大発明で知られるが、近代は有名な発明家がいない。 特許で保護されない限り、発明に打ち込む意欲が湧かないからだ。 ところで、科学技術と違い、人間関係を操作する文系の技術は各国の文化や 体制によって異なる。中国の強権的体質を露骨に見せつけたのが温州の追突事故の 事後処理だ。壊れた車輛を地中に埋め、閉じこめられた幼児の生存を確認せず 救出作業を打ち切る。それでいて「中国の高速鉄道は世界一」とスポークスマンが 胸をはる。 国内では盗作が罷(まか)り通る中国だが、そんな高速鉄道が特許を諸外国に 平然と申請する。一見、笑止のようだが、これも中華ナショナリズムのあらわれだ。 恐ろしい国である。(ひらかわ すけひろ)
2011年8月 23 日 南シナ海、中国が分断するASEANの団結
桜井よしこ 久しぶりに櫻井よし子氏の記事を掲載します。 いつもながら歯に衣を着せぬ言葉は心に心地用響きがあります。 保守本流政権の復活を望む私の考え方と一致するからです。 日本は国内問題を抱えて、政治は乱れているしテレビをつけたらあほみたいな 番組しかやってないし、最近はTVも見ずに韓国ドラマにはまっているのだが、 これは面白くないことが多いせいと思いますね。 また体力増強の為にせっせせっせとゴルフ練習場に通うこの頃ですが、 政治に絶望しているわけではありません。 近い将来きっと私の思うような 政権が誕生し、きっと落ち着いた世の中になることを期待して、 じっと我慢しているだけなのです。 覇権争いの熱い舞台、南シナ海では、東南アジア諸国連合(ASEAN)が 中国の軍事的脅威と経済的牽引の両軸間で揺れ続け、当の中国は南シナ海の 内海化に向けて、着実に歩を進めつつある。 杏林大学名誉教授の田久保忠衛氏が警告する。 「昨年、団結したかに見えたASEANが切り崩されつつあります。 とりわけ中国のベトナム及びインドネシア取り込みを最も警戒すべきです。 しかし、日本は無論、米国のオバマ政権も中国の意図の深刻さを十分に 読みきれているとは思えません」 南シナ海における中国の傍若無人の行動を米国が警戒し、 「南シナ海の航行の自由」に言及して明確にASEANの側に立ったのは昨年だった。 ASEANは中国の脅威の前に団結したかに見えた。 しかし、中国は素早く動いた。昨年10月末、インドネシア、シンガポール、 日米と共に長年「コブラ・ゴールド」合同演習に参加してきたタイと初の 海軍合同軍事演習を行ったのだ。南シナ海問題に関して中国と直接ぶつかる 立場ではないタイに接近し、中国は高速鉄道網建設の枠組み協定を結び、 巨額の借款を与えた。その少し前、10月21日、タイ政府は「南シナ海領有問題は 2国間の議題だ。ASEAN全体の議題にすべきでない」と述べた。 ステープ副首相は後に、中国、ラオス、タイ、ミャンマー、マレーシア、 シンガポールを結ぶ高速鉄道を一日も早く完成させ、中国・ASEANの経済貿易交流を 強化したいとも語った。 国内の高速鉄道事故の被害者や遺族の不満を、補償金を積み上げ金力で 解決しようとするように、領土領海をめぐる深刻な問題も、 財力に物を言わせるのだ。人口と豊富な資源ゆえにASEANの大国の地位にある インドネシアも、中国の金権外交の前に大人しくなる。 次はベトナム 「今年4月28日、温家宝首相がインドネシアを訪れ、2国間貿易額を現在の400億ドル (約3・2兆円)から2015年までに倍増させると謳い上げ、90億ドル(約7,200億円) の融資を表明しました。インドネシアをカネで縛りつけるのです」 こう指摘した田久保氏は、次はベトナムだという。国境を接し、 戦火を交えてきたベトナムは、愛憎入り混じった強い感情を中国に抱く。 1年前の7月23日、ハノイで開催したASEAN地域フォーラム(ARF)で、 ベトナムは強い反中国の姿勢をとった。その直前の6月に中国が南シナ海で ベトナム漁船31隻を拿捕し、両国関係は険悪だった。 今年5月26日、関係をさらに悪化させる事件が起きた。 ベトナムの海岸から東方約220キロ、中国の海南島から南に 約600キロのところにあるベトナム国営石油会社ペトロベトナムの開発鉱区で、 ベトナムの石油探査船のケーブルを中国の監視船が切断したのだ。 ベトナム政府は「領海保全のために必要ないかなる行動もとる」と強く抗議したが、 中国側は「正常な取り締まり活動だ」と言って意に介さず、5日後の31日、 中国海軍の艦船3隻が南沙諸島海域でベトナム漁船4隻に自動小銃を威嚇発砲した。 6月5日、シンガポールのアジア安全保障会議で、ベトナムのタイン国防相は 「周辺海域と地域の安全に深刻な懸念が生じている」として、 烈しい中国非難を展開した。この日からベトナムでは反中国デモが始まった。 共産党独裁体制のベトナムでは、デモは封殺されるのが常だ。 しかし、中国批判のこのデモは黙認され続けた。 13日には、ベトナム海軍が「武力の誇示は緊張を高めるだけ」という米国の 反対を押し切って、南シナ海で実弾演習を行った。 ところが7月、奇妙な変化が生じ始めたのだ。田久保氏の指摘だ。 「7月15日から米越合同軍事演習が行われました。当初は全メディアに 公開される予定でしたが、突然非公開になった。 参加したイージス艦2隻は遠く沖合で展開させられました。つまり、 メディアを最大限遠ざけて、対中抑止力を報道しにくくさせたと思われます」 6月5日以来、日曜日毎に行われていた中国非難のデモも7月10日以降、 ベトナム政府が抑えにかかった。ベトナム政府は重大な方向転換を はかりつつあると見てよいだろう。 「その兆候は6月中旬の中越共同巡視活動にも見てとれます。 このときベトナム海軍の艦船が海南島近くの南海艦隊軍港、湛江に入りました」 海南島は重要な海軍基地を擁す。09年3月に、米国の調査船インペッカブルは 同島海域からかなり離れていたにも拘らず、5隻の中国艦船に取り囲まれ、 スクリューの破損をもたらす、丸太を海に投げ入れられる事件があった。 中国側の激しい反応は、海南島の潜水艦基地に関する情報を 収集されたくなかったからだと言われた。中国が神経過敏になる重要な軍事拠点、 海南島にベトナム海軍は近づくことが出来たのだ。 日本の危機は眼前に 「6月25日にベトナムのホー・スアン・ソン外務次官が北京で戴秉国国務委員と 会っています。余程のことが話し合われたと思われますが、 情報はもれてきません」と田久保氏。 明らかなのは、中国のASEAN工作が着実に成果をあげ、ASEANの団結が溶解し 始めていることだ。その中で明確に米国側についたのがフィリピンである。 同国外務省は6月1日、南沙諸島のフィリピン領海内で中国の海洋調査船が相次いで 「領海侵犯し、鉄柱やブイを設置した」と抗議したと、公表した。 だが、フィリピンには自前の海軍はなきに等しい。中国の、潜水艦65隻、 主要艦80隻、ミサイル艦253隻に較べて、フィリピン側には主要艦が1隻と 小型のミサイル艇が62隻あるだけだ。しかも、フィリピンの主要艦は米海軍の 第二次大戦時代の旧式艦であり、話にならない。 「フィリピンが米国に縋ったのです。92年に基地を閉鎖させ、 米軍を追い出したけれど、中国の脅威に怯えて米比相互防衛条約は破棄していない、 同条約を南シナ海にも適用すると表明してほしいと、泣きついたといえます」 米国はフィリピンの要請を受け入れた。南シナ海問題に関して、初めて、 軍事的関与もあり得るとの立場を明らかにしたといえる。 だが、事は容易ではない。米国は民主主義の国だ。財政赤字に悩むいま、 新たな軍事的関与については、とりわけ民意を気にしなければならない。 一方、中国は共産党独裁で、民意に縛られない。財政的余裕もある。 加えて国際法も無視して中国はやってくる。南シナ海問題は即東シナ海問題である。 軍事力も経済力も心許ない日本が、フィリピンと同じ立場に立たされないと 誰が言えるだろうか。日本の危機は眼前にあることを忘れてはならない。 (週刊新潮) 杜父魚文庫
2011年8月22日 復興財源にたばこ1000円と株放出 私も愛煙家である。笹川陽平氏が提唱しているたばこ税の大幅引き上げには 複雑な気持ちがあるが、はっきり東日本の復興に使うことが明記されているのなら、 甘んじて受けましょう。 煙草を一本吸うごとに、大震災の被害者の冥福を祈ることになるからです。 こんなことで社会貢献できるならば喜んでしますよ。 税が上がることに対して、国民が反対するのは使い道があやふやだからです。 清い選挙制度確立の為に政党交付金を支給するようになったのだが、 選挙違反が減ったという話は聞かないし、政党交付金で漫画を買っているとか、 飲み代に使ったとか、使途不明の使い方をしていることが時々新聞紙面を 騒がせることもあるようだし、だいたい役人の給料が高すぎるし、 数も多すぎる。また議員の数も地方議会や、国会も含めて多すぎると思いますね。 それに最近は生活保護を受ける人が激増しているようだ。 最近、私の管理する賃貸マンションの入居者が賃料滞納したので賃借人へ 問い合わせたところ、生活保護を受けているとのことだった。 市役所に問い合わせたところ、賃料を上乗せして支払っているとのことでした。 しかし賃借人はそれを携帯料金の支払いに充てて賃料を支払わないのです。 その上まだ若くて体力もあるようで仕事をしたいとの意欲があれば仕事は いくらでもあるのに、昼はぶらぶらしていて、夜にホストのアルバイトをしているのです。 こんな人にも生活保護を支払っているのだから、この世の中おかしいと思いますね。 賃貸契約はすぐに解約しました。 【正論】 日本財団会長・笹川陽平
東日本大震災の復興計画が震災後5カ月を経ても見えてこない。 政府の復興対策本部は総事業費を10年間で23兆円とし、 19兆円を前半5年間に集中させるとしているが、復興債で賄い臨時増税で 償還するとした10兆円について与党からも反発が噴出。結局、 税目や期間を明示しないまま政府の税制調査会に先送りされ、いまだ先行き不透明なのだ。 1000円は国際的常識 ようやく月内退陣を明言した菅首相は「責任を持って財政措置を講じ、 償還財源を確保する」としているが、このままでは、ただでさえ遅れている 復興はさらに遅れ被災者は救われない。国の借金がGDP(国内総生産)の2倍に上る 943兆円に達する中で、国民の多くは復興に向けた負担増に一定の理解を示している。 この際、たばこを1000円に値上げし、政府が保有する日本たばこ産業(JT)の 全株式を売却し、復興財源に充てるよう提案する。 たばこ1000円は、過去何度か本欄で提案しており、 「またか」と顔をしかめる向きもあるかもしれないが、 20本入り1箱1000円は国際的な常識である。JT株の売却も、 たばこ産業を育成する「たばこ事業法」の廃止とともに、WHO(世界保健機関)の 「たばこ規制枠組み条約」批准国として当然の責務である。 たばこは昨年10月、1箱平均110円値上げされ、 国産の代表的銘柄は1箱410円、外国産は440円となった。 ノルウェーの1200円、ニューヨーク880円、ロンドン850円、 オーストラリア800円 (いずれも1ドル80円で換算)などに比べ、わが国は依然、 低い水準にある。たばこ条約が求める有害の警告表示なども諸外国に 比べ大幅に遅れている。 2010年度の喫煙人口は約2500万人、販売総額は3兆6100億円。 うち税金は国と地方を合わせ2兆2700億円。110円の値上げで消費量が若干、 減ったものの、販売額は増加する傾向が今回も続いている。 株式売却で1兆7000億円 1000円に値上げした場合の消費量に関しては、厚生省の研究班など各種の 調査があるが、先行して1000円時代を迎えた欧米で引き続き20%台の 喫煙率が維持されている現状からも、1兆円前後の増収は見込めると判断する。 財務省が50・01%を保有するJT株も全株式を放出すれば、現在の株価で 1兆7千億円前後になる。 政府には、11年度第3次補正予算案に合わせた復興税制関連法案にたばこ増税を 間に合わせるのは時間的に無理といった意見やJT株の3分の1を売却する案も 出ているようだ。しかし、時間が足りないのであれば増税の実施時期をずらせば済む。 また、たばこ条約に批准して、たばこ規制を国際的に公約した政府が実質的に JTを支配する現在の姿は明らかに条約の趣旨に反し、これ以上、 JT株を保有する意味もない。3分の1ではなく全株を売却して完全民営化を 実現すべきである。 さほどの税収増につながらない場合も、その分、大幅なたばこ離れが進むわけで、 国民の健康増進だけでなく、肺がんの増加など年間5〜7兆円と試算される たばこ被害の抑制につながり、政策的な矛盾は生じない。 野田佳彦財務相はたばこ税の引き上げについて「“オヤジ狩り”みたいなところがある」 と発言、消極的と報じられている。 国民の多くがたばこ1000円に共鳴していた昨年秋の値上げが 110円の小幅にとどまった背景にも、引き続き、 たばこ税を別の財布として温存しようとする財務省の思惑があった。 復興に必要な財源は間違いなく膨らむ。国家財政危機存亡の折、 財源確保はあらゆる可能性が検討されるべきであり、喫煙者にも虚心坦懐 (きょしんたんかい)に負担増を求めるべきである。 オヤジ狩り発言は財政再建に積極的な野田財務相に似合わないし、 冗談でも言ってはいけない。たばこ税は長い間、便利な調整財源として 使われてきたが、国民の健康と密接に関連するテーマであり、 財務省より厚生労働省が所管するのが本来の姿である。 「財務省の言いなり」の批判に応えるためにも勇断を発揮してほしい。 現実的で理のある選択肢 超党派の国会議員による「禁煙推進議員連盟」なる組織も存在する。しかし、 同連盟が脱たばこ社会の実現に向け具体的な活動をしたとは聞かないし、 名簿も公開されていない。国民の健康増進と復興財源確保に向け今こそ 国民に見える形での真剣な活動を望む。 国の先頭に立つべき政治は久しく混迷の極みにあり、 外交から経済政策まですべてが停滞している。 これでは大震災を新しい国づくりのスタートにしようという 国民の願いに応えられない。 財源がなければ復興は進まないし、国の借金をこれ以上増やし 将来世代に先送りすることも許されない。今の世代で負担を分かち合い、 国の復興を軌道に乗せる必要がある。たばこ1000円とJT株の 全株放出は財源確保に向けた現実的で理のある選択肢である。(ささかわ ようへい)
2011年8月17日 民主党そのものが延命策 民主党の政治を見ていると気分が悪くなる。 こんな無能な政党が政権を握って離さないのはおかしい。 早く総選挙すべきなのに色々理由をつけて、引き伸ばしているのです。 いまどき民主党を支持する人がいるだろうか? 労働団体と教職員組合だけであろう。 偏った思想の持ち主たちが日本をダメにしているのです。 マスコミにあおられ、テレビのワイドショウに踊らされて、いかにも 政権交代が時代の趨勢のような新聞記事にあおられて、一般有権者が騙された 結果なのです。 騙されただけではすまず、被害者にもなっているのです。 経済政策が間違っていれば就職率は悪くなるし、失業者は街にあふれるし、 税金は高くなるし、治安は悪くなるし、子供は秩序を無視するし、 嘘つきが横行するし、社会は乱れるのです。 歴史が証明しています。無能な為政者が政治を執って、世の中が乱れたことは 古今東西いつの世にもあったことです。その過ちを民主党は繰り返しています。 後進国なら即軍事革命が起こっていたでしょう。 そんなに国民の不満が溜まっていることを民主党は認識すべきです。 どの政党がしても同じという人がいるがそれは違います。 事なかれ主義はやめましょう。 【古典個展】 立命館大教授・加地伸行 近ごろ気になることばがある。「子どもたち」だ。 「ども」も「たち」も共に複数を表すものの、「ども」は相手を低く見る感じだ。 「野郎ども、馬鹿(ばか)ども」と。「たち」は相手を高く見ている感じ。 「先生たち」、古くは「公達(きんだち)(貴族グループ)」と。 すると、子が一人前でないと下に見て「子ども」となるが、もし「子たち」と言うと、 子に対して大事にしているという感じ以外、その言いかた自体が上品な感じを与える。 だから「子どもたち」と言うと、なんだか子を下げたり上げたりの感じを否めない。 あるいは「子ども」で「子」を指し、「たち」をつけて複数の意味と しているのかもしれない。もっとも「たち」の元来の意味を離れ、 子自体を指して「子どもたち」と使われるようにもなったらしい、と諸説ある。 それなら響きのいい「子たち」を使ってはどうか。私は反省して最近は「子たち」 と言っている。ただし「子どもっぽい・子どもの使い・子どもだまし…」は変えないが。 さて、「子ども・子たち・子どもたち」、どれを使おうと大した差はないと 言えばそれまでのこと。 いやそういうことではない。ことばを正しく使わなければ、 議論の筋道が崩れてしまうのである。 その典型が民主党。政権担当能力のない民主党がなぜ政権を維持しているのかと 言えば、2年前の衆院選で国民に支持され、多数派を占めたからだと彼らは言っている。 それは筋道が通らない。自民党時代の予算から16兆円もの財源が出てくると 原口一博・前総務相は言っていた。この種の大嘘をはじめ、 することなすことのほとんどが選挙公約違反。 それでは国民の支持に反するではないか。当然、衆院を解散して国民に信を問うべきだ。 するとこう言う。東日本大震災の被災地3県は選挙人名簿も作れず、 投票できる状態にない。地方選挙も9月に延期したぐらいだと。 それは通らない。総選挙は国政問題であり、地方政治と異なる。あえて言おう、 国政を立て直さなければ被災地3県の復興はできない、と。 ところが、民主党はもちろん、野党の自民党までが同3県における総選挙に 腰が引けている。選挙人名簿の確定困難だの被災者感情への配慮だのと言い、 総選挙どころではないとしている。 愚かな話である。ならば同3県に限り、比例代表制選出にすればすむことだ。 党への票を比例配分して、議員を決めれば、同3県における多数の意志を反映 できるではないか。たとい完璧な選挙人名簿がなくとも。 だいたいが投票率100%などありえないのだ。60%で十分。 この特例は国会で臨時措置として決めればできるはずだ。 民主党は自民・公明との連立などと恥も外聞もないことを言いだしている。 延命を図っているのは、首相でなくて、実は民主党そのものではないのか。 『論語』子路(しろ)篇に曰(いわ)く「名(ことば)正しからざれば、 則ち言(げん)(論理)順ならず。言順ならざれば、則ち事(こと) (政事(せいじ))成らず」と。 なお、前回の『論語』の出典は子路篇ではなく、「顔淵(がんえん)篇」でした。 ご指摘、ありがとうございました。(かじ のぶゆき)
2011年8月16日無駄切らぬ増税を代表選争点に ライオンズクラブの新規立ち上げの為に忙殺され、HPの更新がままならない状態で、 愛読者にはまことにすいませんでした。 今後もできるだけ掲載していきますので、よろしくお願いします。 熊本城東ライオンズのHPも見てください。http://kumamotojoto-lc.com/index.php 【正論】 評論家・屋山太郎 鳩山由紀夫、菅直人の2代にわたる民主党政権を、中曽根康弘元首相は 「過去も未来もない政権」(読売新聞コラム)と評した。言い得て妙である。 民主党は2年前の総選挙の際、政党得票率でも自民党に圧倒的な大差をつけた。 現在は完全に逆転されている。理由は明白。未来の日本の姿を示し得なかった。 示したとすれば、菅氏の独断専行の脱原発、言い換えれば、ジリ貧の日本のみである。 ≪蠢く「小鳩」よ、恥を知れ≫ 2年後には衆院議員の任期が満了する。このままでは、民主党の敗北は必至だろう。 新政権は未来を描いて、党を蘇生させねばならない。 その未来を描く代表を決めるに当たり、党を落ち目にした鳩山、 小沢一郎の両氏が蠢(うごめ)いているのは解せない。鳩山氏は一度、 引退をも表明した失敗者だ。小沢氏は幹事長として鳩山政治の失敗に責任がある。 加えて、目下は政治資金規正法違反にかかわる刑事被告人だ。 恥を知って貰(もら)いたい。 次期代表選で本命の野田佳彦財務相は年金、税の一体改革に熱心で、 自公両党との大連立を提唱している。自民党の谷垣禎一総裁も 「野田氏となら話せる」と受ける素振りを見せている。代表選の主要テーマは 「大連立」か否かに収斂(しゅうれん)されつつあるが、 大連立は政策遂行の手段にすぎない。何をやるかといえば、「増税」である。 民主党は2年前、何をやると言ったか、思い出して貰いたい。 バラマキ4Kに釣られた有権者もいただろうが、最も人心を捕らえたのは 「天下り根絶」の公約だっただろう。当時、天下り法人数は4600、 天下り者数は2万8000人、法人に流れ込むカネは12兆6000億円といわれた。 天下りが悪いのは、人件費に充当される金額以上の無駄金が国から 流れているというだけではない。 例えば、UR(都市再生機構)は不動産業を営み、明らかに民業を圧迫している。 7月に総務省が発表した、「3代以上」にわたり理事長を同一省庁出身者が占めている 独立行政法人は1594に及ぶ。官が民業に侵入する現象は日本の“官僚内閣制” の象徴だ。天下り法人は民業を歪め、競争を阻害する。日本を20年にわたり不況に 導いている元凶ともいえる。 ≪野田氏丸め込んだ?財務省≫ この現実に着目したのは安倍晋三元首相で、行革担当相に渡辺喜美氏 (現みんなの党代表)を抜擢(ばってき)し、氏は福田康夫政権時、 「公務員制度改革基本法」を成立させた。それに伴い諸改革が続くはずだったが、 麻生太郎元首相は改革の必要性に目もくれなかった。 こうした動きを受け、民主党は「天下り根絶」と「わたり禁止」を 標榜(ひょうぼう)した。天下りをなくすということは肩たたきという役所の 慣行を変えることである。各省の幹部人事は「内閣人事局」が行い、 政策全般にわたる戦略は「国家戦略局」が担い、独法などの整理は 「行政刷新会議」が行う−というのが民主党の公約だった。小沢氏はいま、 「マニフェスト(政権公約)を守れ」と言っているが、幹事長時代は、 「天下り根絶」を一顧だにしなかった。4Kバラマキの方が楽だったせいだろう。 国家戦略局、行政刷新会議の設置について、当初は乗り気だった仙谷由人氏は、 途中で財務省と手を握り、財務省の上に位置するような国家戦略局はあきらめる。 行政刷新会議の蓮舫担当相には仕分け作業をさせてやるというのが、 財務省と仙谷氏(後の官房長官)の取引だった。 蓮舫氏は公開の仕分け作業で注目されたが、節約した額は6000億円程度。 12兆円を削り出す大作業で官僚組織を揺り動かすはずだったが、 財務省の狡智(こうち)の前に改革の音は消えた。 いま、日本の政治・行政を牛耳っているのは財務省だ。 選挙で選ばれたわけでもない官僚に政党や国会まで仕切らせていいのか。 ≪「天下り根絶」の旗降ろすな≫ 天下りの根絶、換言すれば、無駄の根絶を行わずして、増税はやらせようというのが、 財務省の意図である。無駄を切れという民意には全く耳を貸さない。 完全に無理筋の増税論というほかない。 小選挙区制度の下では、大連立をすべきではないし、また、できはしないと思うが、 野田氏は財務官僚に丸め込まれたのだろう。財務官僚が自民党の側もすでに 洗脳しているであろうことは、想像に難くない。野田氏が思想も信念もある 政治家であることは認識しているが、今回の出だしは誤りだ。代表選に当たって、 民主党はあくまで、「天下り根絶」の意思があるかどうかを争点にすべきだ。 公務員制度を改革し、政治主導の司令塔としての国家戦略局、独法潰しのための 行政刷新会議を設置(立法化)できるかどうかで、民主党の真価が決まるだろう。 東日本大震災からの復旧・復興にも増税が必要だ、と復興構想会議も打ち出したが、 財務省の根回しがあったことは明白だ。しかし、不景気時の増税は、 震災復興名目であろうともご法度だ。 代表選では、前国土交通相の馬渕澄夫氏の力量も楽しみである。 農水族守旧派が鹿野道彦農水相を担ぐという。こちらは茶番だ。(ややま たろう)
2011年8月8日 米空母「最大の敵」は中国にあらず 日本の政治家はおかしい。 選挙に勝つことしか頭になく、将来の日本の展望がないのです。 この際「防衛問題については地方自治体の承認が必要ない」と法律を作るべきです。 防衛問題は国の専権事項だからです。 地方の反対で国の防衛政策が進められないとしたら、そのこと自体がおかしいからです。 現実問題として普天間飛行場やいろんなところで反対運動に会い、 立ち往生している状態なのだから、早急に法整備が必要と思われます。 そのうえで、防衛問題の遂行にある程度の私権の制限が必要のようです。 それこそが公共の利益のための私権の制限なのです。 FCLPの移転先として検討される馬毛島(鹿児島県西之表市) 中国が修復していた空母「ワリヤーグ」が、近く試験航行する見通しだ。 東シナ海や南シナ海を舞台に米中の空母が対峙することも現実味を帯びてきたが、 実は、米空母にとって「最大の敵」は日本国内に立ちはだかっている。 FCLPの移転先として検討される馬毛島(鹿児島県西之表市) 中国が修復していた空母「ワリヤーグ」が、近く試験航行する見通しだ。 東シナ海や南シナ海を舞台に米中の空母が対峙することも現実味を帯びてきたが、 実は、米空母にとって「最大の敵」は日本国内に立ちはだかっている。 懸案は危険水域 米海軍の原子力空母「ジョージ・ワシントン(GW)」が母港とする横須賀基地 (神奈川)。 そこを「安住の地」として維持していく上で解決すべき懸案が危険水域に入ってきた。 米軍再編での空母艦載機「陸上離着陸訓練(FCLP)」の移転問題だ。 FCLPは空母に艦載されている戦闘機が飛行場の滑走路を空母甲板に見立てて行う 離着陸訓練。 空母に安全に着艦させられるようパイロットの技術を維持するための訓練だ。 FCLPは、GWが修理や整備を終え、横須賀を出港する前に10日間ほど実施する。 修理や整備の間、艦載機はGWを離れ、厚木基地(神奈川)に拠点を移すが、 騒音問題を避けるため硫黄島(東京)に移動しFCLPを行ってきた。 在日米軍再編では艦載機の拠点を厚木から岩国基地(山口)に 移すことが決まっている。 FCLPのために、硫黄島より近い場所で新たな訓練地を探す必要もある。 そこで防衛省がFCLP候補地として狙いを定めたのが「馬毛島(まげしま)」 (鹿児島県西之表市)だ。種子島から12キロ離れた無人島である。 「1年半は動かない」 「新幹線の車内並みの70デシベルの騒音区域はかからない」。 7月、FCLP移転に理解を求めるため地元の西之表市を訪れた小川勝也防衛副大臣は、 FCLPが種子島に与える騒音の影響は小さいと強調した。 「米軍色」を薄めるのにも躍起だった。馬毛島に建設するのは自衛隊施設であり、 離島侵攻に対処する訓練や、人員・装備を集結させる大規模災害対処拠点という 位置づけを説いた。その上で、副次的に米軍のFCLPも実施したいという論法だ。 これに西之表市の長野力市長は「反対は変わらない」とにべもなかった。 移転受け入れに比較的柔軟とされる鹿児島県の伊藤祐一郎知事も 「地域の意向で対応する」と突き放した。 「市長が賛成に回ることはない。この問題は1年半は絶対に動かない」。 政府高官はそう指摘する。1年半とは、長野市長の任期満了に伴う市長選のある 平成25年2月までを指す。 高官によると、長野市長は任期満了まで受け入れ反対を貫き、 3選を目指す市長選でも公約に反対を掲げる見通しだという。 政府内には、受け入れ賛成派が対抗馬として出馬するとの情報も伝わり、 「長野氏は反対派としての勝算を確信しているのではないか」(別の高官)とみている。 地元の反対で膠着状態に陥る構図は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市) 移設問題と同じだ。振り返れば、米軍再編や普天間問題も選挙でこじれてきた。 米軍再編の発端となった日米の防衛態勢や役割分担の見直しに関する 協議開始に合意したのは、14年12月の日米安全保障協議委員会 (2プラス2)だった。米側は15年11月にたたき台となる再編案を提示したが、 日本側は回答を留保。16年7月の参院選を前に政治問題化するのを嫌ったからだ。 フラストレーションを募らせた米側は、再編案をマスコミにリークする「情報戦」に 出た。ある政府関係者は「再編案に関連する自治体の反発を買い、 日本政府とも抜き差しならない関係になった」と話す。 政権交代後は、民主党政権が「県外・国外移設」に期待を抱かせた普天間問題で 選挙は深刻な影響をもたらした。 普天間飛行場の移設先となる同県名護市では、昨年1月の市長選で移設容認派の 現職をおさえ、反対派の稲嶺進氏が勝利。同9月の名護市議選でも稲嶺市長派が圧勝した。 昨年11月には沖縄県知事選で仲井真弘多知事が再選を果たしたが、 「条件付き県内移設容認」から「県外移設要求」に転換した。名護市の「民意」に 歩調を合わせざるを得なかったことが大きい。 選挙を経るごとに普天間問題は八方ふさがりに陥っているのだ。 同じように地元の反対に加え、選挙を理由に膠着も余儀なくされそうなFCLP移転が 「第2の普天間問題」となることは避けられそうにない。 FCLP移転候補地の選定は、期限だった21年7月からすでに2年以上が過ぎた。 空母艦載機の厚木から岩国への移転完了時期も3年後に迫っている。 中国海軍の増強が加速する中、艦載機パイロットの訓練環境を整え、 GWによる抑止力を維持しないかぎり、日本は「安住の地」とはならないし、 日米同盟も再び揺らぎかねない。米政府が「選挙」を言い訳にした計画先送りを、 何より忌み嫌っていることも肝に銘じておくべきだろう。(半沢尚久)
2011年8月4日さらば占領引きずる疑似独立 今の政治は面白くない。 嘘つき集団が政治の中枢を握っていて、毎日嘘の羅列だからだ。 誠実な人にとってはとても耐えられない。どうすればいいかよく考えてみた。 政治から少し距離を置くことにした。世の中の面白いことにも関心を持とうと思う。 いろんなジャンルのことを勉強してみたい。 悲観しながらを過ごすのに飽きたからです。
【正論】 震災下の8・15 杏林大学名誉教授・田久保忠衛 この6月24日のことである。国家基本問題研究所が催した月例研究会に、 細野豪志原発事故担当相(当時首相補佐官)が出席し、 東日本大震災への対応にあたってはまず有事か平時かの問題があり、 有事の場合には中央官庁間の縦割り行政、中央と地方公共団体との権限、 私権尊重といった難しい課題を処理しなければならない…、と説明し始めた。 途端に、何人もの出席者から、「有事に決まっているではないか」 との怒号が沸き起こった。これがすべてを物語っていると思う。 ≪押し付け憲法後生大事に守る≫ サンフランシスコ講和条約締結で独立を実現して60周年に なるというのに、日本は大災害、戦争、国際テロといった厄介な 問題を勝手に想定外とするか放棄し、占領下で押し付けられた 憲法を後生大事に守っている。憲法第9条で戦争は放棄したから、 起こりっこないと本気で信じている日本人はどれだけいるのか分からない。 が、全国のあちこちで、「非核平和都市」や「核兵器廃棄平和都市」を 宣言する立て看板は今でも目にする。これら自治体の関係者は、 宣言すれば実現する、とまともに考えているのだろうか。 占領下の憲法だから国軍の存在を認める条項はない。 国家の非常事態を想定していないから緊急事態条項もない。 民主主義体制が崩壊したり、今回のような大災害が起きたりした際には、 一部私権を制限する条項も必要であろう。 法治国家なら当然の常識は、護憲派の菅直人首相ら民主党首脳にはない。 独立国がとるべき措置などは念頭になく、ひたすら「地方主権」や 私権を尊重した平時の取り組みに没頭する。専門家の復興案は憲法の 枠内の技術論ばかりだ。揚げ句の果てがこの体たらくである。 東日本大震災で自衛隊が黙々と演じた役割は、「日本国憲法信者」も 等しく認めるところだろう。が、時間の経過とともに、 国の背骨である自衛隊の存在はまた忘れ去られていくのだろうか。 ≪フィリピンの近視眼笑えるのか≫ 話は少々、それる。 南シナ海の領有権をめぐる紛争で、中国は傍若無人な振る舞いに出て、 フィリピンやベトナムと厳しく対立している。軍事力で劣弱なフィリピンは、 石油探査船が妨害され、漁民が威嚇を受け、領有権を 主張するパラワン島沖のイロキス礁では、船で建設資材を持ち込まれて 実効支配を開始されてしまう。旗艦であるフリゲート艦、 ラジャ・フマボンを紛争水域に送ったものの、第二次大戦に参加した 世界最古の軍艦だから、中国側は歯牙にもかけない。 この軍事小国は、情け容赦ない現実に直面して急遽(きゅうきょ)、 海軍力増強に乗り出した。ロサリオ外相はワシントンに飛び、 米比相互防衛条約の適用を明言し軍事援助を増やしてほしい、と懇請する。 冷戦後の1992年、フィリピンはスービック海軍、クラーク空軍の 両基地から米軍を追い出し、間隙を埋めるように中国海軍が進出してきた。 軍事力を背景に有無を言わせぬ中国外交を前に、フィリピンは 「相手を刺激しない」行動をとるほか選択の余地はなかった。 万策尽きて、今度は、 米国の懐に逃げ込んだのだ。 フィリピンを笑えるか。 ≪戦後体制の最後の徒花、菅政権≫ 鳩山由紀夫前首相は、日米同盟の証しである沖縄海兵隊の 普天間飛行場を県外あるいは国外に持っていくと述べて、同盟を崖っ縁に立たせ、以来、普天間移設の問題は解決がついていない。ところが、 尖閣諸島沖で中国漁船体当たり事件が発生し、対中事なかれ外交が 破綻すると見るや、前原誠司外相は訪米し、クリントン国務長官に 尖閣諸島を日米安保条約の対象にすると言ってほしいと要請した。 防衛費は、自民党時代から一貫して減らしている。 占領時代を引きずっている疑似独立国そのものではないか。 劣悪な指導者を持つと、国はどのような事態を迎えるか。 いわゆる戦後体制の欠陥がいやが上にも浮かび上がってくる。 リーダーシップなき民主主義は堕落を続け、 選挙民の歓心をいかにして買うか、政権維持のためどうして人気を 上げるかの競争が繰り広げられる。国家の緊急事態に際しての体制整備に、 政治家の関心が向かなくなってきて、果ては、国家の安全保障まで住民の 意向とやらが決定する。原発も普天間飛行場も、首相官邸が断を 下せないまでに、国家の機能は衰えている。 しかし、絶望の溜め息をつくのはまだ早すぎる。耐用年数をとっくに 過ぎた戦後体制の最後の徒花(あだばな)が菅政権であると位置付ければ、 希望は出てくる。66年前に中学1年生だった私が見た日本の風景は、 あらゆる面で廃墟(はいきょ)だった。独立達成にかまけていた 日本の政治家たちが怠ったのは、新たな憲法の作成である。 新しい時代の政治家を鑑定するリトマス試験紙が、 これほどはっきりしてきた時代はない。(たくぼ ただえ)
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